外国の樹木についての質問とお答え


 紅木 投稿者:しんご  投稿日: 6月 8日(火)02時12分37秒

   大学のサークルで三味線をやっている者です。 高級な三味線の棹に使われる、 紅木と呼ばれる材の、樹の名前を調べています。 紅木について ・硬い ・水に沈むほど重い ・暗い赤色 ・高級なものには縞模様がある ・インド産 ・たぶんマメ科(Dalbergia属?) 種名をご存知でしたら教えてください。 


 紅木、シタン 投稿者:後藤 武夫  投稿日: 6月 8日(火)09時10分12秒

 紅木は、紫檀としているものがあり、紫檀ならば、お話しの通り、マメ科のDalbergia(ツルサイカチ)属の
シタン Dalbergia cochinchinensis でしょう。
また、マルバシタン Dalbergia latifoliaを指すこともあります。 

紅木
紅木三味線

シタン
Rosewood
ローズウッド


 その後、ここを見て、インドから木材を輸入している方から、
日本で紅木(コーキ)と言っているのは、やはり同じマメ科の Pterocarpus santalinus (英名;Red sanders)
という木ですとご連絡がありました。

 学名が分かれば紛れがないので早速書物を調べてみましたところ、

Pterocarpus santalinus は、インド南東部、アンドラ、クッタバー地方、
スリランカの特産の樹種で、我が国ではコーキ(紅木)又は紅木紫檀といい、
古くは米檀、紅檀といわれたもので、いわゆる紫紫檀の1種だそうです。
 (我が国で昔からシタン(紫檀)と呼ばれて唐木の1種として珍重されているものは
Dalbergia属とPterocarpus属にまたがっており、本紫檀、紅木(紅木紫檀)、 手違紫檀などとよばれているそうです。)

 Pterocarpus santalinus は、中高木で、樹皮は黒褐色、葉は複葉で、小葉は3つ葉状、鈍頭、 葉柄に軟毛がある。
 材は、辺材、心材の区別がはっきりしており、心材は鮮紅色、後に暗色になり、 緑色の光沢がでる。
 比重1.2でもっとも重硬な材の1つである。高級家具、キャビネットに使われ、 色素は染料に使われる。
(以上、熱帯林業協会、熱帯の有用樹種(昭和53年)によりました。)



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