外国の樹木についての質問とお答え


 月桂樹について    "miki hamada"

 月桂樹には、食用とそうでないものがあると聞いたのですが、 見分け方を教えて下さい。


 お答え

   月桂樹は、クスノキ科のゲッケイジュ(Laurus)属の ゲッケイジュ Laurus nobilis という種です。 地中海原産で、日本には、1905年に入れられ、各地に植えられています。 雌雄異株ですが、日本には、雌株は少ないそうです。
 ゲッケイジュは、オリンピックの勝者に栄誉を称えて与えられますが、 普通食用にはしません。 (乾かした葉は、香辛料、実はリューマチなどの薬や石鹸の原料にしますが。)
ゲッケイジュは、英語では、Laurel; Bay; Sweet Bay; Bay laurel など色々な名で 呼ばれます。乾かした葉も、英語では、bay leaf とか sweet bay と言っていますね。

 ゲッケイジュ Laurus nobilis には、若葉に黄色みがあるもの(Laurus nobilis 'Aurea’)、 葉が細いもの(Laurus nobilis 'angustifolia’)、葉が波打つもの(Laurus nobilis 'Undulata') などいくつか品種がありますが、これらの品種の性質にはあまり差があるとは思えません。

 また、ゲッケイジュ(Laurus)属には、分類の仕方にもよると思いますが、 Laurus azorica、 Laurus canariensis、 Laurus  cinnamonum などなど30種以上 あるようです。これらの種は、日本には入ってきてはいないのではないかと私は思いますが、 詳しくは分かりません。また、これらの種の葉が香辛料として使えるかどうか分かりません。

追伸

  クスノキ科のゲッケイジュ(Laurus)属のゲッケイジュ Laurus nobilis のほかに、英語の普通名(common name)で、laurelと名がついている木があります。
(1)Mountain laurel (ツツジ科。学名は、Kalmia latifolia いわゆるカルミア)
(2)California-laurel 又は、myrtlewood (クスノキ科。学名Umbellularia californica)
(3)Cherry laurel 又は、English laurel(バラ科。学名は、Prunus laurocerasus セイヨウバクチノキ、実は食すと有害です。)
(4)Alexandrian laurel 又は、Punainut とかIndiapoon beautyleaf (オトギリソウ科のテリハボク Calophyllum inophyllum )
これらは、科や属がゲッケイジュとは違いますし、日本には分布していませんが、 (3)のcherry laurel セイヨウバクチノキは、食用にすると害があるので、 これを食べられないlaurelと言っているのかも知れません。

 なお、セイヨウバクチノキ Prunus laurocerasus は、日本でも公園などに植えられていますが、 樹肌は大きく剥がれ、葉も15cm程と大きいので、ゲッケイジュと間違えることはあまりないと思います。



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